回游備忘録

日常と備忘録がわりに色々。不定期更新。

あい…愛…I(243話感想前編)

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ゴールデンカムイ25巻読了したので、軽く感想を書いておこうと思う。

俺が今回特に気になったのは、問題の上等兵回である。

野田先生も宇佐美に関しては、大分加筆したと言うので、そこを注目して読んだ。

扉絵は、本誌からの通り、宇佐美のホクロくんが尾形と鶴見中尉に変わっている絵。それが現時点では何故なのかは分からんが。

始まりは菊田の「うちの上等兵はどうなってんだか」に対して、宇佐美が、菊田に「あんな奴」と、話し始める事から。尾形から、腹違いの義弟である花沢勇作について、だな。

尾形は自ら銃殺したとされる勇作にうなされていた。それを宇佐美は「勇作殿ぉ?」と話しかける。

その後、変更部分。宇佐美が「尾形のやつ、うわごとで殺した弟の名を…」の言葉を聞いた菊田の様子が、本誌と全く違う雰囲気に変わる。

本誌では驚愕と動揺の表情を見せていた菊田が、顔を見せない演出に変更されていたのだ。

こうなっては、菊田がいかにも花沢勇作銃殺事件の真相を知っていて、先の巻で「あんた、中央のスパイか」という情報が、その通りとなってしまうのではないか。中央案件なのか?と更に疑い深くなる。

そして、宇佐美のセリフも変更部分があった。
本誌では、「後頭部のど真ん中を撃たれていたんですよ。あいつに違いない」から、コミックスでは、その「あいつに違いない」が削除されている。 
それが削除されたのならば、どういう意味合いになるか…。
俺的には「違いない」を削除しなくても、尾形は勇作を殺してない?疑惑はそれでも出てくるのだがな。

そして次の場面。尾形と宇佐美の会話。(いや、実際には、ほぼ尾形の独り言のようで、宇佐美は適当に相槌をうっているだけだが)

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本誌との変更点はあまりなし。強いて言えば、宇佐美の「美化してないだろうな?」から「美化してない?」に変わった事くらいか。

その後、勇作との会話、そして加筆部分がやって来る。

尾形百之助の多アングルでの、実に人間臭い独り言が追加された。

そして気づいたのだが、本誌では勇作が居なくなってからの独り言は、勇作と呼び捨てにしていた尾形だったが、加筆変更ではきっちり「勇作殿」と直されていた。
俺は素は呼び捨ての方が好きなんだが、修正が入ったということは勇作殿のままで貫くのか。それならば致し方ない。

独り言の内容についてだが、百之助は、、実父に執着している。

母親の事などよりも実父の愛が欲しいのか。

あい…あい…

愛に悶え

狂え


ああ、勇作も同じ筈とは、そう言う意味になるのか。尾形にとっての罪悪感など、もはや概念すらろくすっぽも無いんだな。あはは。

俺が妾の子だからか…なんて、自身が何に原因があって、父からの「愛」を求めているのか。身内の「死」によって、「愛」が与えられるものなのか?
さあて、それは俺もさっぱり分からん。


どうすればいいんだ?


これでは、俺は身体を抜けても尚、まだまだ尾形百之助自身の気持ちには完璧になりきれていない…。俺にも根底にはまだ、良心があるとは、、思う。ただ、俺は散った花沢勇作のように高貴で清い存在ではなく、崇拝される格ではない筈なのだ。それだけは確実だ。

人間に罪悪感というのは何故あるのか?
ただ尾形が主張している時点では、自身に罪悪感が無いと自称で自覚をしていたであろうが、勇作が散った後のうなされ具合と、樺太や後の勇作の幻覚、霊的存在の知覚は己の根底にある「罪悪感」の擬人化なのかすらと思われる。
結局尾形百之助も一人の人間なのだ。

俺も何を言っているのか分からない。

その後、宇佐美のヒヒンと悶え、倒れた後の修正部分。
本誌はドヤ顔アップだったが、胎児のやうにうずくまる引きの構図に。(おいおい、まるで夢野久作ドグラマグラだな)
菊田も別人かのように汗が消える。

次の場面に移る。



「鶴見中尉殿の何が不満だ?」

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とりあえず宇佐美は、ベッドをギシギシさせるのをやめなさい。

というわけで今夜はここまで。次のシーンからは月島も絡んでくるので、次回の記事もお付き合い願いたい。


それでは次回中編へ続く

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